しめさばブログ

介護士で子ども3人の親。ブログやウェブライティングなどの副業を模索しながら生きています。

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【介護の現場で必須】ボディメカニクスで効率の良い介護を目指す

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こんにちは、介護福祉士のサバです。

 

介護現場で職員を助ける技術のひとつにボディメカニクスがあります。

介護をしていると慢性的な腰痛になってしまう人が多いですが、そんな体の負担を減らしてくれるボディメカニクスをくわしくご紹介します。

 

また、ボディメカニクスについて僕が日々感じていることも書いてみたいと思います。

 

 

目次

 

ボディメカニクスとは

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身体力学を介護分野に活かし行う技術のこと。

介助者が対象者の体を効率の良い方法で移動させたり体位を変換したりできることで、利用者の体の痛みや不安を和らげる効果があり、介助する側も小さな力で行うことができます。

 

看護や家庭での介護、育児にも幅広く活用が可能です。

 

ボディメカニクスの原理8つ

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ボディメカニクスを構成する8つの原理を紹介します。

 

①体を密着させる

重心を近づけることで安定し、力が伝わりやすくなります

②支持基底面積を大きくとる

両足を開いて立つ場合、開いた足と足の間の面積が広いほど、安定します

③コンパクトにまとめる

底に接している面積が少ないと、摩擦が小さく少ない力で済みます

④重心を低くとる

膝を曲げることで安定し、腰への負担も和らげます

⑤てこの原理を活用する

力点・支点・作用点を意識すれば、少ない力で介助ができます

⑥からだをひねらない

足先を常に移動したい方向に向けることで、ひねる事を防止できます

⑦からだ全体をつかう

一点だけではすぐに疲労するので、それを防ぐために全身の筋肉を使います

⑧水平移動を心掛ける

 持ち上げる動作は重力に逆らっているため力が必要ですが、水平移動をすることでその力を減らすことができます。

 汎用性が高い

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「急に家族の介護が必要になった。」なんてことが多くの方に実際起こりえると思います。

そうなった時の為にもボディメカニクスを知っておいて損はありません。

育児にも活かせますし。

 

なにも本を買って勉強するとかそういう教室に通う必要はないです。

普段から自分が体を動かす際、どのような動きが楽なのかを意識しながら行うだけでだんだん身につけることができると思います。

 

椅子に腰掛けながら、足をうしろに引いて頭を下げるお辞儀の姿勢を取ってみてください。

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簡単にお尻が浮いて立ち上がることができます。

立ち上がり介助を行う際にはその方法を用いることで簡単に行うことができるんです。

 

 

ちなみに我が家では子どもをくるくる回して遊びます。

 

小学生の息子が時々「やって」とせがむ遊びなんですが、

フローリングに体を丸めて横向きに寝た状態になり、子どものお尻と肩を、ヘソのあたりを中心として軽く駒のように回してあげるとクルクルっと面白いように回転するんです。

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これが体を伸ばした状態で寝そべっているだけでは全然だめ。

体をコンパクトに丸めて床に接した面積を小さくすることで、摩擦が減り、簡単にできるんです。

 

この遊びの欠点は、衣服が床に擦れて汚くなったり劣化しちゃうので嫁に怒られることですねw

ボディメカニクス活用の実態

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そんなボディメカニクスですが、うちの施設ではなかなか活用できている人が居ないという印象で、あまり重要視されていないと感じます。

僕がボディメカニクスを知ったのは実務者研修という外部での研修でした。

 

ベテランと呼ばれている職員もそういう教育をあまり受けてないのか、受けたことを実行していないのか、出来てない人も多い。

 

知り合いに聞いてみると、他の施設でも「ボディメカニクス」という言葉の認知度はあまり無いとの事。

僕が介助してるとよく「力があるね」って言われるんですが、実際はあまり力を出さなくても効率よく出来てるからです。

 

若手には効率のいい力の使い方を教えてるんですが、やっぱりベテラン職員には「こうしたらいいですよ」なんて言えないですね。

 

力のある男性職員は虐待ギリギリ介助で無理やり介助を行っている様子も見受けられます。

 

新人の頃、今は辞めたS藤さんがそういう介助をしている現場を目撃しましたが、それを注意する人も居ないというか、みんな業務をこなすことに一生懸命で余裕がなかった。

それを注意できない自分も情けなかった・・・。

 ボディメカニクスを活用して快適な介護を

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利用者さんの膝をたたむだけで寝返り介助は格段にやりやすくなるなど、ボディメカニクスを活用することで介助が楽しくなります。

また、ボディメカニクス+利用者さんにも力を出してもらい協力することで、更に小さな力で介助が可能です。

 

ついついやってしまいがちなのは、介助者が10の力でやってしまうこと。

そうじゃなくて、意思疎通ができる方には「反対の方を向いてもらえますか?」と言葉をかけ、力を出してもらうことで、その方の残存機能を伸ばす事にも繋がります。

 

介助をされる本人も達成感が得られ、「自分のことを自分でできた。」と“尊厳の保持”にもつながります。

利用者さんはモノじゃないですからね。

“動かす”んじゃなく“動いてもらうことをサポート”するという視点が必要です。

 

ボディメカニクス活用のまとめ

介護士不足が言われて久しいです。

精神的にも肉体的にも追いつめられる人が多く離職する人が後を絶たない。

 

今回は肉体的な問題を解決するひとつの手段としてボディメカニクスのことを記事にしてみました。精神面でも色々と問題はありますがそれはまた別の記事で。

 

介護ロボットが実用化されるのは僕が定年を迎える頃になるんでしょうか・・・。なのでひとりひとりが効率の良い体の使い方をしながら業務にあたることが重要です。

 

この記事を書くことで少しでもボディメカニクスの認知度が上がればなぁ、と願っています。

 

介助する側される側が、よりよい思いができる未来がくるといいですね。

 

じゃ、夜勤行ってきます。

 

終わり。