非日常の話
ボクは40過ぎた いいオッサンなわけで、
息子の通う小学校ではPTA会長としてがんばっており、
仕事では日々、お年寄りのお世話をする善良な介護士なワケです。
そんな僕が体験したことを、どうしても記事にしたくて
必死にキーボードを叩いています。
その内容というのが
ついさっき、2階から飛び降りました。
というはなしです。
経緯
今日は夜勤明けの休日。
子供たちを学校に送り出し、朝からコーヒー飲みながらくつろいでたんですが、
そういえば寝室の開き戸の具合が前から悪かったなー、と思って日曜大工気分で直そうと思ったのが発端。
年々戸の枠が歪んでいってるかんじで閉めるのがたいへんで、ちょっと斜め上にひっぱりながらじゃないと戸が閉められない。
一旦閉まっちゃうとがっちり戸が枠にはまった状態になるんだけど、無理やり戸をしめるからドアノブ全体が緩んできてた。
その緩みを解消するべく分解してみることに。
とりあえずネジ穴が見えてるので、
↑ここからカバーと突起を取ってみた。
取るにはとった。
思ったより取り外しにくかったし、意外と部品も多く復元できるかどうか不安でかるくパニクった。
そこで冷静になればいいものを、とりあえず元通りにできるかを試したくて一旦突起と金具をつけ直してドアを閉めてみた。
閉まるには しまった。
そしたら、開けられないんですわ。
レバーと突起が連動してなかったわけです。その状態で閉めたもんだから、いくらレバーを下げても突起が引っこまず、ドアはまったく開かない。
そこからが悲劇でした。
レバーがだめなら突起を直接引っこませようと思い、ちょっと硬めの紙を戸のすきまから差し込んでみたけど、突起の背中部分に当たる感触があるだけでビクともしない。
当たり前だよね ↓この面に当てても突起は引っ込まない。
部屋から出て、
逆側の隙間から紙を差し込めば突起を引っ込ませられるだろうと思ったけど、
そもそも 部屋から出られない。
後悔したけどもう遅かった・・・。
気が付いたら、ちょっとした密室になってて
いきなり非日常に追い詰められちゃってました。
とりあえず一旦冷静になってあれこれ考えてみた。
せっかくの休日なのに、もしかしてこれ一日潰れるパターンじゃね?とか
非日常って意外とかんたんに訪れるもんだなーとか、
戸が開かないままなら今日は嫁や子どもには別の部屋で寝てもらおうかなーとか、
ってゆーか、
そんなこと家族に言うと残り少ない「威厳」数値がマイナスになるな、とか。
さっきまで優雅にコーヒーすすってたのがウソみたいな どん底の心境だった。
最優先で考えなきゃならないのは、ドア以外から部屋を出て戸の反対側に回ることだと思った。
窓から出て2階の他の部屋から侵入できればいいけど、どの部屋も鍵がしてあるから入れない。
でも、万が一開いてるかも・・・と、淡い期待を抱きつつ窓から出て2階を一周してみたけどやっぱり全部閉まってた。
戸締り万全・・・。
悪いことに今日は雨だし、足は靴下しか履いてなくて心許ない。アメリカ人だったら靴履いてただろうにとか思った。
家には誰もいなかったし、誰かを呼ぶことができないワケではなかったけど、この状況を早く打開したかったし、間抜けな状況を誰かに知られるのもイヤだった。
仮にもPTA会長だし。
というワケで
いよいよ飛び降りる以外にない状況になりました。
さっき二階の外回りを一周して降りられそうな場所は見当をつけておいた。
で、いちばん的確だと思ったのが
屋根と屋根の間のL字になってるところ↓
ここね
そこに、こうやって、
こうしようと思った。
でも実際やってみるとなると、けっこう恐ろしいw
高さ的には
後で検証してみたら2メートルくらいだった。
いや~ 2メートルって地味に高いんだなぁ。
そこから靴をはかずに飛び降りるってかなりの恐怖。
あと、屋根に引っ掛けた両肘をジャンプと同時に外さなきゃいけない。
タイミング外したら、下手したら脱臼とか骨折とかになりかねない。
でね、
降りる体勢をとってみたものの怖気づいたもんで一回インターバルおこうと思ったんだけど
体勢が体勢なだけに気がつけば後戻りできず、
じわじわと滑り落ちていく感じで
あれ?あれ?
みたいな感じで
落ちちゃった。
予定では
こうなるはずだった。
でも
こうなった。
じょうだんじゃなくて、着地の瞬間
「うわー」
って声出したからね、40歳超えてるオッサンが。
その現場をもし誰かに見られてたとしたら、間違いなくマヌケな光景だったはず。
そんなPTA会長ほかにいる?
そんなPTA会長に学校をまかせたいとか思います??
もし雨の日に二階から無様に飛び降りたPTA会長を目撃したって人がいるとしたら、その無様なPTA会長ボクなんで。
ひとつ わかった事。
よくドラゴンボールのキャラとかが雲くらいの高さから飛び降りて着地してるけど、
あれ嘘だから。
結果
・手をついた際、右手のひらに1センチくらいの切り傷(血がドクドク)
・右足首ねんざ
・左足の平 内出血
・その他こまかい擦り傷2、3コ
幸い両肘は飛び降りるとき上手くはずれて大丈夫だった。
軽い興奮状態で玄関まで歩いて砂が付いた靴下を脱ぎ、ウチに入った。
特に右手の出血がひどく、なかなか止まらない。
※微グロ注意
戸のことが心配だったから、ティッシュで止血しながら2階のドアに戻り、さっきと同じように硬い紙を差し込んでみた。
そしたら、こんどはいとも簡単に開きました!
とりあえず一安心したけど、まだまだ血が出続けてて焦った。
カットバン貼っても脇から染み出てくる状況で、一刻も早くドアノブの修復作業に戻りたかったのになかなか進まず。
と、そこで一つ思いついた。
我が家にはこれがあったわけで↓
以前、この記事でも紹介しました。
いやー快適だわ使い捨て手袋。
染み出る血を気にせず、油の汚れも防ぐことができたんで作業が捗りました。
見てください、この余裕のポージング。
使用後は丸めてごみ箱にポイ
というわけで、ボクが前からオススメしている使い捨て手袋は
2階から飛び降りて手のひらをケガした場合
にも使えることが分かりました。
結局、突起の部分は付けなくても戸はいつも通り閉まったので直さず放置。気が向いたらまたトライしてみます。
もうね、最悪な休日でしたので、何とかそこから得るものをということでこの経験を記事にして公開しようと必死に書きました。
教訓:
日常という開き戸のすぐ向こうには 非日常が潜んでいる
おわり。
11.4追記
あれから二日経ちました。
その日は右足のねん挫が地味に利いててまともに歩けず。でも湿布貼って寝たら回復して次の日からは普通に業務できました。
職場の看護師さんに説明したら負傷した右手を優しく処置してくれたし、同僚にはウケた。あと子どもに飛び降りた事を伝えたら「パパ、すげー」となって、「威厳」数値が謎の急上昇となりましたが、嫁は爆笑してたんでそっちのほうの「威厳」はまたまた下がったみたいです。