杉下右京な夜勤明け
相棒season16 最終回ですね。
やっぱり相棒は初代寺脇康文さんがいいと思うサバです。
僕が勤務する施設でも相棒は人気があり、 「今日は相棒観てから寝るわ」なんて利用者さんも居ます。
Iさんは60代の男性利用者。
エロ系の映画からテレビドラマまで、よく知ってます。
Iさんに教えてもらった「パイパニック」や「息子・オブ・ゾロ」は僕のお気に入りでした。
今日は夜勤明け。
朝、そんなIさんを離床介助中
「あぁ。そういえば相棒のファイナル今日だったかなぁ。」
さすがIさん。ドラマの情報は逃さない。たまにテレビ点けっぱなしで眠ってることあるけど。
「それとは別だけど、相棒のDVDウチにあるんだ。観るなら〇〇(息子)に持ってこさせるから、貸してあげるよ。えーっと、レッスンいくつだったかなぁ・・・。」
レッスンww
それは“シーズン”でしょIさんwww個人授業じゃないんだからw
「ン」しか合ってないし。
天然なのか、わざとなのか判断に迷う。
かなりツボにハマって態勢を崩しそうになるけど、なんとか堪えてIさんを車椅子へ。
個人の尊厳を尊重する。介護士の鉄則です。
正直相棒にはあまり興味がないので、世話好きなIさんを傷つけないよう、申し出にお礼を言いつつ辞退させていただく。
「そうか分かった。じゃ、メシまで新聞読んでくるわ。」
コミュニティホールへ向かうIさんの背中を見送りながら、ふと思った。
Iさんがドラマ関係のDVD持ってるなんて初めて聞いた。劇場版かなぁ。エロ系しか持ってないと思ってたんだけど。
「妙ですねぇ・・。」
夜勤明けの頭が活性化された。
IさんはマニアックなDVDしか所持しないはずなんですがねぇ。
それに、Iさんがボクに勧めてくるのは、いつもエロ系だったんですよ。
仮説を立ててみましょう。
Iさんが言ってたのは
「相棒」ではなくて
「愛棒」だったんじゃないだろうか。
“シーズン”じゃなくて
“レッスン”で正しかったんじゃないだろうか。
「愛棒」と「レッスン」、そしてパロディ映画好きなIさんをミックスして作品を推測してみると・・・。
「これで全てが繋がりました」
僕はIさんを呼び止めた。